富士登山 虹に手が届く (2011年8月8日撮影)
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(富士山 八合目) |
八合目あたりまで登ってきた時に、ふっと雨が降り始めた
最初はパラパラという感じだったのが、たちまち天が破れたような雨に変わった
ほぼ同時に雨粒の中に氷の塊が混じりはじめた
雹(ひょう)である
山小屋の僅かな軒先にたくさんの登山者がたまってゆく
まもなく小屋のご厚意で土間のところに入れていただいた
空は真っ黒になり恐ろしい雹が降り続いていた
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(富士山 八合目) |
山の天気は変わりやすい
晴天から雹に豹変したかと思ったら
再びあっという間に晴れわたった
生まれてこの方、こんなにはっきりとした虹を見たこともない
今後も見ることはないであろう
それに、虹が太陽光線と空気中の水滴による光の屈折状態などということがこの上もなく嘘っぽく感じられる
虹には実態があって、あそこまで行けば虹に触れる
もしかすると虹の上を歩けるかもしれない
そう思うほどはっきりとした虹は絶対に実態があると思った
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(富士山 八合目) |
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(富士山 八合目) |
虹のスタート地点は、眼下の山小屋に近い位置にある
誰か、あそこまで行ってどんな様子か見てきて欲しい
一体、虹の感触はどんなもんなのだろうか
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(富士山 八合目) |
やや後ろから登ってくる女性2人のパーティ
先程の雨宿りで隣にいて、少しお菓子を交換した間柄である
ちょっとそこで手を伸ばして
もう少し伸ばしたら虹に手が届くでしょう
触った感触はどうだった?
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(富士山 八合目) |
強烈な雨ですっかり洗い清められた富士山の赤い噴出物による地層がはっきりと見える
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(富士山 八合目) |
八合目から本八合目あたりの山小屋がたくさん立ち並んでいるのが見えてきた
小屋で休まずに一気に山頂を目指すコース
山頂手前で一泊して、暗いうちに出発して山頂付近でご来光を望むコース
このあたりでご来光を拝んでから明るくなった参道を登るコース
山頂でご来光を拝んで、少し下って一休みするコースなど
富士山を責めるコースはさまざまだ
いづれにしても、東側斜面のコースはご来光をどこで拝むかということが問題になる
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(富士山 本八合目) |
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(富士山 本八合目 トモエ館) |
八合目から本八合目の山小屋たち
下から運び上げる資材を最小限にして、風に対抗するための重りなどは現地調達の石を屋根の上に乗せている
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(富士山 本八合目 トモエ館) |
本八合目・トモエ館
ここが我々の今夜の宿泊地だ
登り始めて6時間、もう下界とは全くの別世界である
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(富士山 本八合目 トモエ館) |
空気が薄いというのはどういうことなんだろう
呼吸が難しくて高山病の症状がでるかどうかは人による
いわゆる体力のある人は平気で、軟弱な人は症状が出やすいかというと必ずしもそうではない
血液中のヘモグロビンが酸素と結合しやすいかということは
体力とは基本的に関係ない
だから、筋骨隆々とした人が、案外ゲイゲイしていたりもするものだ
汗をかいても案外からっとしているのも空気が薄いということなのだろうか
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(富士山 本八合目 トモエ館) |
山小屋の中には、今でも富士山信仰の痕跡が残っている
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(富士山 本八合目 トモエ館) |
たくさんの山小屋が立ち並び、こんな感じの通路でつながっている
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(富士山 本八合目 トモエ館) |
山小屋の屋根の向こう側は空
空は地面より上にあるとは限らない
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(富士山 本八合目 トモエ館) |
山小屋の食事は小さなハンバーグの入ったカレーライス
宿泊用のベッドは、畳三畳くらいの作り付けの二段ベッド
畳一畳あたり二名くらいがもぐりこんで両側の人に触れながら眠りにつく
荷物のスペースはその中に確保するのだからまず足を伸ばすことは不可能だ
それに富士山固有の問題だが、山頂でご来光、山小屋でご来光、ご来光の後の一休みなど
時間帯がバラバラのため24時間ひっきりなしに到着する人、出発する人が交錯する
しかも、初心者のツアーがあるので
どんな時間帯でも山小屋滞在のルールや土産物の案内、郵便の出し方など
添乗員が大声で説明する
とてもじゃないが眠れるもんじゃない