第10章 バリ植物図鑑(3)
[写真1]ヘリコニア(絵画館の中庭)
ヘリコニアはバショウ科の植物。
ということはバナナの仲間だ。
この左右に並んだ規則的な赤いものは実ではなく花になる部分だ。
今にこれが割れて雄しべが飛び出してくる。
バリでは庭木の中に普通にこれを見ることができる。
日本でも大きな植物園の温室の中では普通にみられるためご覧になった方も多いのではないか。
ところで、以前能登半島に行ったときに輪島塗の漆器の文庫や茶托のデザインにシュンランやスイセンに混じってヘリコニアが見られた。
このように日本でもおなじみの植物になりかかっている。
(バショウ科)
[写真2]パキスタキス・ルテア(市内観光)
こちらも日本国内の植物園の温室では一般的な花である。
黄色いパステルカラーのところからちょろちょろって顔を出している白い部分が本当の花である。
なにか舌を出しているようだ。
(キツネノマゴ科)
※ 当初、この植物を「ペロペロネ」としていましたが、読者の方からのご指摘を頂きました。
ご指摘に基づき確認したところ間違いであったことが判明しました。
上記に訂正させていただきます。
大変申し訳ありませんでした。
また、ご指摘ありがとうどざいました。
ペロペロネというのは、正しくはベロペロネ(Beloperone)でこれとよく似た「コエビソウ」の学名にあたります。
コエビソウはパキスタスとちがって花穂が垂れ下がります。これもキツネノマゴ科です。
[写真3]ランタナ(クタ ホテル・パドマ・バリ)
ランタナには日本語の名前がついている。
七変化(シチヘンゲ)だ。
つまりはアジサイの別名と同じだ。
色が変わってゆくということ。
園芸品種でさまざまな色のものが見られる。
日本語の名前があるくらいだからそう珍しくなく見ることができる。
近頃では温室ばかりでなく花壇のいろどりなんかに使うようになってきた。
(クマツヅラ科)
[写真4]オウコチョウ(クタ ホテル・パドマ・バリ)
日本のジャケツイバラとよく似ている。
最初はジャケツイバラそのものかと思ったが、ジャケツイバラなら花は黄色のはずだ。
「ハワイの花」という本の、ホウオウボク、ヒメホウオウボクという樹の写真とよく似ている。
別の本(週刊朝日百科 植物の世界50)でホウオイウボクを引いたところ
オウゴチョウ(黄胡蝶)にたどり着いた。
結局はオウコチョウとヒメホウオウボクは同じものらしい。
(ジャケツイバラ科:昔はマメ科といわれたものからジャケツイバラ科とネムノキ科を分離させた。今でもマメ科としている分類が多い。)
[写真5]カンナ(クタ ホテル・パドマ・バリ)
いかにも熱帯の花らしく、強烈な夏の日差しが良く似合う花だ。
日本でも普通に見かける花だが、こんなに強烈な色のものは見たことがなかった。
ホテルのエントランス横の池の中に生えていた。
水の中に植えることがあるということも知らなかった。
(カンナ科)
[写真5]ハス(クタ ホテル・パドマ・バリ)
日本で見るハスと全く同じ花だ。
異国の空の下、日本と同じは花にめぐり合うと正直なところホッとする。
しかし、どうもハスは熱帯に咲くほうが似合っている。
どうだ、この堂々とした咲きっぷりは。
バックの強烈な光にすっかり溶け込んでいる。
(スイレン科)
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