花追い人のホームページ  尾瀬花紀行4
(2004. 8. 4)

8.尾瀬植物研究見本園(3)/尾瀬ヶ原(1)

[7月24日(木)] (その3)

ヒツジグサ
ヒツジグサ

尾瀬植物研究見本園の中にも小さいながら池塘が存在する。
ちなみに池塘(ちとう)とは、湿原の中にある池のこと。
ここには、スイレンの一種であるヒツジグサや、
ミツガシワ、フトイなどの水生植物が生息する。
そういう豊かな生物相の温床となる。
魅力的な空間だ。



カラマツソウ
カラマツソウ

カラマツソウの名前はこの白い花が、唐松(カラマツ)の葉、特に新緑の時の葉に似ていることから付けられたもの。
清潔感いっぱいの白い花は、清々しい空気に満たされている尾瀬にふさわしい美しさだ。
必ずしも目を引く花とは言い難いが、さわやかな空気に溶け込むような花だと言える。



研究見本園看板 研究見本園看板
研究見本園看板 研究見本園看板

尾瀬植物研究見本園。
広大な尾瀬ヶ原のほんの一画を担っているだけなのだが、小なりといえども豊かな自然。
最後に看板を見て、尾瀬ヶ原に入る。
山の鼻からいろいろな花を観察しながらヨッピ川、東電小屋方面に歩を進める。



クルマユリ
クルマユリ

豪華絢爛というにふさわしいクルマユリである。
厚みのある花弁(花被片といったほうが良さそうだ)、花粉いっぱいの雄しべの葯(やく)。
そろって派手なだいだい色。
一輪でも十分に豪華だが、数輪固まって咲いているときの存在感は大変なものだ。



ゲンノショウコ
ゲンノショウコ

いっぽう、こちらは足下に咲く小さな花だ。
正直なところほとんど存在感は感じられない。
気付かずに通り過ごしてしまう。
あるいは、踏んづけて行っても気がつかないかも知れない。
にもかかわらず、しゃがみ込んでゆっくりとのぞき込むとこんなにも美しい。
白い花には微妙に紫の筋が入っている。
ピンクの雌しべに先端に青い葯のついた雄しべはどうだ。
さすがに目ざとい昆虫はしっかりと見つけて蜜を吸いに来ている。



尾瀬ヶ原木道
尾瀬ヶ原木道

首都圏から日帰り可能な尾瀬は週末の利用が極端に多い。
そんな尾瀬で、 ミズバショウが終わって、ニッコウキスゲには少し早い時期だ。
当然平日はガラすきになる。
あえて、人がたくさん入り込むように撮ったのがこれだ。
場合によっては20分くらい誰にも会わず、前後に人が見えないなんてことがあるくらいだ。



湿原の中の川
湿原の中の川

湿原の中にときどき小さな川が流れ込んでいる。
普通は木の生えない湿原でも川に沿って小さな林が現れる。
これを拠水林という。
この水がきれいなのは言うまでもない。



オオウバユリ
オオウバユリ

オオウバユリはまだつぼみであった。
一本の茎(花茎)から少しずつずれてつぼみが付いていた。
これが控えめに開花する。
花も実になった時も魅力的な花である。



池塘 夏雲 池塘 ヒツジグサ
池塘 夏雲 池塘 ヒツジグサ

湿原内の池塘は植物の宝庫でもあるのだが、水鏡として山や空を映し出す。
夏雲を写し込んだ池塘、ヒツジグサの葉をいっぱいに広げているが、やはり青空を写しているからこその池塘。
これも魅力的な尾瀬の夏だ。



池塘 ヒツジグサ
池塘 ヒツジグサ

ヒツジグサ(未草)はその名の通り「未の刻」に開花する。
正午12:00が「午(うま)の刻」、その次の時刻が「未(ひつじ)の刻」。
つまりは、14:00を中心として前後1時間、13:00〜15:00をいう。
時刻は10:00ころ。
この時刻にはまだ開花していない。



ヒツジグサ
ヒツジグサ

同じく池塘に並んだヒツジグサの葉。
光沢のある葉に直接太陽光線があたっているため、ギラギラと輝いた様子が写っている。



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