花追い人のホームページです。   利尻・礼文 最北の花紀行
(2001.8.31)

(1) 稚内メグマ湿原

2001.7.19(木)〜2001.7.24(火)、日本最北の稚内、利尻島、礼文島へ行って来ました。
北海道最北の都市である稚内へ飛行機でひとっ飛び、そこからフェリーを使って利尻島、礼文島へ渡る。
最北の島たちだ。
なかでも礼文島は「花の浮島」とも呼ばれるくらい全島いたるところで花見が出来る島。
対する利尻島は、同じ北の離島でありながら、かなり違った花が見られる。
高山植物とは、もちろん高山に生育する植物のことだが、同じ植物の生育する場所は緯度が高くなるほど標高は低くなる。
この法則に従うと、本州の中部・関東地方で標高2000m級の高山帯に咲く花は最北の地では標高0m、つまり海岸で見られることになる。
こんな最北の花紀行を約16回(予定)の連載記事でご覧いただきたいと思います。

[7月20日(金)]

[写真1]:タンポポモドキ(稚内 メグマ湿原)
タンポポモドキ(稚内 メグマ湿原)

稚内に到着した昨日(7月19日(木))はさっそくサロベツ湿原に訪れたが湿原の乾燥化が激しく、その結果大幅にササが侵入していた。
こうなっては湿原植物は期待できない。
一夜明けて(7月20日(金))稚内空港の近くのメグマ湿原へ、こちらも湿原の乾燥化は進んではいたもののサロベツ湿原よりはずっとよい。
湿原の周りのタンポポモドキは見事なものであった。
タンポポなんかよりずっと長い茎がいつも風で揺れる。
黄色い波が寄せては返す様。
それはそれは夢のような光景ではあった。

[写真1]:タンポポモドキ(稚内 メグマ湿原)



[写真2]:エゾノシシウド?(稚内 メグマ湿原)
エゾノシシウド?(稚内 メグマ湿原)

どうも稚内から利尻・礼文にかけてセリ科の植物をいつも見ているのだが、それはあまりにも種類が多い。
大きさもさまざま、形もさまざま。
でも実際にはよく似ていて区別するのは難しい。
あまり自信がないが、 "?" 付きで「エゾノシシウド?」としておく。

[写真2]:エゾノシシウド?(稚内 メグマ湿原)



[写真3]:ノハナショウブ(稚内 メグマ湿原)
ノハナショウブ(稚内 メグマ湿原)

もしかするとメグマ湿原を代表する植物はノハナショウブかも知れない。
(ノハナショウブはハナショウブの原種であることから、野生の花菖蒲ということで野花菖蒲という。)
尾瀬ではカキツバタだが、箱根仙石原湿原や信州の八島湿原なんかはノハナショウブが優先である。
もっとも八島湿原は根元に水が浸るようなところはカキツバタであったが。

[写真3]:ノハナショウブ(稚内 メグマ湿原)



[写真4]:コウリンタンポポ(稚内 メグマ湿原)
コウリンタンポポ(稚内 メグマ湿原)

実は北海道のコウリンタンポポはかねてからあこがれている花のひとつであった。
北海道のどこかにこれが一面に咲き競うところがあるらしいのだが、それがどこかは知らない。
ここではタンポポモドキに圧倒されて所々にコウリンタンポポが混じるといった感じであった。
でも思いがけずにあこがれの花に会えた喜びは大きい。

[写真4]:コウリンタンポポ(稚内 メグマ湿原)



[写真5]:花の中の遊具(稚内 メグマ湿原)
花の中の遊具(稚内 メグマ湿原)

メグマ湿原の導入部はフィールドアスレチックの遊具が並べてある。
遊んでいる人は一人もいない。
遊具の足下にはおびただしい数のタンポポモドキ。
風に揺れてふわふわとしている。
まるで雲の上のアスレチックのようだ。

[写真5]:花の中の遊具(稚内 メグマ湿原)



[写真6]:遊具(稚内 メグマ湿原)
遊具(稚内 メグマ湿原)

ふわふわと風に揺れるタンポポモドキ。
これは花壇に植えられているわけではない。
通路の上といいアスレチック遊具の下といい、ありとあらゆるところでふわふわと風に揺れている。
この上を歩いていいものかしばらく考えてみたがこの上を歩かなければどこへも行けないということに気が付いた。
なんと素敵な、贅沢な遊具だ。

[写真6]:遊具(稚内 メグマ湿原)



撮影データ
[写真1]:タンポポモドキ(稚内 メグマ湿原)
Canon new F-1 AE NEW MACRO FD 200mm F4
f4.0 (1/125付近) +0.7EV Konica Chrome SINBI 100 High-Quality
GITZO #468L 三脚 Mamiya AW701 雲台 2001.7.20(金) 9:26 (01C77N-13)

[写真2]:エゾノシシウド?(稚内 メグマ湿原)
Canon new F-1 AE NEW MACRO FD 200mm F4
f4.0 (1/125付近) +0.7EV Konica Chrome SINBI 100 High-Quality
GITZO #468L 三脚 Mamiya AW701 雲台 2001.7.20(金) 9:39 (01C77N-20)

[写真3]:ノハナショウブ(稚内 メグマ湿原)
Canon new F-1 AE NEW MACRO FD 200mm F4
f4.0 (1/500付近) +0.7EV Konica Chrome SINBI 100 High-Quality
GITZO #468L 三脚 Mamiya AW701 雲台 2001.7.20(金) 10:13 (01C77N-25)

[写真4]:コウリンタンポポ(稚内 メグマ湿原)
Canon new F-1 AE NEW MACRO FD 200mm F4
f4.0 (1/60付近) +0.7EV Konica Chrome SINBI 100 High-Quality
GITZO #468L 三脚 Mamiya AW701 雲台 2001.7.20(金) 10:16 (01C77N-27)

[写真5]:花の中の遊具(稚内 メグマ湿原)
Canon new F-1 AE NEW FD100mm F2.8
f2.8 (1/250付近) +0.7EV Konica Chrome SINBI 100 High-Quality
三脚使用せず 2001.7.20(金) 10:21 (01C77N-31)

[写真6]:遊具(稚内 メグマ湿原)
Canon new F-1 AE NEW FD100mm F2.8
f2.8 (1/250付近) ±0EV Konica Chrome SINBI 100 High-Quality   
GITZO #468L 三脚 Mamiya AW701 雲台 2001.7.20(金) 10:22 (01C77N-34)

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