花追い人のホームページ   九州紀行−神々の住む郷
(2002.10. 7)

(16) 別府から国東半島へ

[6月30日(日)] (その3)


血の池地獄
[写真1]:血の池地獄

[写真1]:血の池地獄
別府と言えば日本一の湧出量を誇る温泉の町。
熱湯が噴き出して容易に近づけない鉄輪温泉。このような場所は古来地獄としておそれられていた。
別府地獄には、海地獄、山地獄、カマド地獄、鬼山地獄、金竜地獄、白池地獄、血の池地獄、龍巻地獄の8カ所が知られている。
これらを全部廻る地獄めぐりもあるが、われわれが訪ねたのは血の池地獄ひとつだけ。



血の池地獄
[写真2]:血の池地獄

[写真2]:血の池地獄
「万葉集」に赤池と記された日本最古の真っ赤な天然温泉。
泉温78℃。噴気まで赤色でまさしく血の池のようだ。



だるま
[写真3]:だるま

[写真3]:だるま
帰路間近。
別府湾に立ち寄って、食事と買い物。
普段あまりみやげ物を買って帰るという習慣はないのだが、このやっこさんのような手作りのだるまさんは例外。
ひとつづつ大きさも形も表情も違っている。
今でも食卓の上に乗っている。



熊野磨崖仏 熊野磨崖仏
[写真4]:熊野磨崖仏 [写真5]:熊野磨崖仏

「神々の住む郷」の旅もいよいよ終盤。
高千穂の日本神話の神さまからから始まって、なにやら神々が住んでいそうな湯布院金鱗湖、ハナショウブ・アジサイの神楽女湖、地獄めぐり、と巡った。
最後は国東半島の多くの仏教遺跡で、この旅の最後の神々を巡ってみることにしたのだ。
こう言うと地獄や仏教は神ではないという声が聞こえてきそうだ。
だが、「神」といえばこの世を支配するたったひとつの意志だが、「神々」とすればそれは多神論。
神話の神も神道の神もその他あらゆる宗教の神も含んでいる。
それだけじゃなくて、近づきがたいもの、畏れ多いもの、思い通りにならないもの、神秘的なもの。そういうものをすべて含んでいる。

[写真4]〜[写真5]:熊野磨崖仏
熊野磨崖仏。
鬼が一夜に積んだという99段の石段を登ると左手の崖に6.7メートルの大日如来([写真5])と8メートルの不動明王([写真4])が現れる。
おそらく世間との縁を切っての密教的修行の場であったのだろう、仏像の様式にも世間との隔絶が感じられる。




カラスビシャク
[写真6]:カラスビシャク

[写真6]:カラスビシャク
磨崖仏のあたりの足許を見てびっくりした。
そこにはおびただしい数の花が群生している。
目にとめる人は少ないかも知れないが、カラスビシャク、別名、ハンゲの大群落であった。
ちょっと目にはウラシマソウやマムシグサに似ているが同じサトイモ科ではあるが別属だ。
大きさもずっと小さい。
ちょっと感動的な美しさであった。(サトイモ科)




ご神木
[写真7]:ご神木

[写真7]:ご神木
磨崖仏のところから更にもう少し登ったところに寺院の建物とこのご神木があった。
特にご神木と表示されていた訳ではない。
私が勝手にご神木と解釈したのだ。
この場所で世間との接触を断ち、修行に明け暮れたのであろう。




庫裡にて 庫裡にて
[写真8]:庫裡にて [写真9]:庫裡にて

庫裡にて 庫裡にて
[写真10]:庫裡にて [写真11]:庫裡にて

[写真8]〜[写真10]: 庫裡にて
熊野磨崖仏の庫裡にこのような宝物が収容されていて有料で拝観ができる。
庫裡内はほとんど真っ暗でデジカメのISO感度を上げても手持ちの限界を超えるスローシャッターとなる。
ようやく撮影を終えたところで、この庫裡にも照明設備があることに気がついた。
スイッチを入れてみる。
それで撮ったのが[写真11]だ。
被写体は[写真9]と同じ。
やはり、自然光で撮らないと雰囲気が出てこないということを実感した瞬間である。

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