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花追い人の撮影日記


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花追い人の撮影日記(卯月

薫風=シダレヤナギ(三鷹市大沢国分寺崖線)1日:(光が丘公園)シダレヤナギハクモクレン咲く
‐5時から光が丘公園で撮影、7時に切り上げて八が岳へ向かった。
中央高速上でガス欠はするは、雪解けのぬかるみでスタックするはでさんざん
2日:(八が岳)植物はまだ冬眠中、夜明けの富士山遠望が神々しい
8日:(小金井公園)ソメイヨシノ満開、ヒメオドリコソウナズナ咲く
(神代植物公薗)ムスカリタチツポスミレ咲く
(清水山憩いの森)カタクリ満開
9日:(光が丘公園)花見の宴たけなわ、コプシ満開、(赤塚公園)ニリンソウ満開
(赤塚植物園)ミツガシワクリサンセマム=ノ−スポールヒトリシズカ
15日:(山梨県一宮市)モモスモモオオイヌノフグリナノハナレンゲソウ
16日:(田島ケ原・サクラソウ祭)サクラソウ、ノウルシアマドコロ咲く
22日:(箱根湿生花園)オキナグサミズバショウリュウキンカ、(小桶谷)ヤマザクラ
23日:(赤塚植物園)アツモリソウ
カタクリ咲く(野山北公園)29日:(光が丘公園)トチノキ新緑、ハナミズキ見頃
   (見沼田圃)クマガイソウ、他
30日:(秩父栃本城祉さきたま撮影会)カントウタンポポアケビカラタチ、新緑
 以上が昨年4月の撮影日記である。とにかく花追人としてはこの時期は休む暇が無いので体調を維持することが何よりも大切だ。この中でいくつかを詳しく紹介する。

 「清水山憩いの森」は、都区内唯一のカタクリの自生地として有名だ。満開の時期は毎年微妙に異なるが、近所のソメイヨシノが満開になった頃がちょうどカタクリも満開に当たる。これは多少東京から離れても有効な判断基準だ。そして、あのそっくり返ったカタクリの風情は午節10時から11時頃、十分に気温が上がることが必要だ。写真は早朝とぱかりに勇んで出掛けるぱかりが能ではない。早朝はソメイヨシノを撮影してからゆっくりとカタクリの撮影に向かうのが正しい撮影法だ。

 かっては荒川流域の各地にサクラソウの自生地があったが、現在はあらかた絶滅してしまった。人工的なあらゆる保護対策の結果、およそ自然状態からはほど遠いところで、田島ケ原だけがかろうじて自生地として維持されている。こういうと、お決まりの乱獲、環境汚染の結果だと
思うかも知れないが、そうではない。サクラソウは、毎年のように氾濫を起こす河川沿いに自生する植物だ。だかサクラソウ(浦和市田島ヶ原)ら、本来のサクラソウの自生を守るのなら荒州の護岸をやめて、自然のままに氾濫を起こさせる必要がある。こうするとさきたま支部会員のかなりの人が毎年洪水の被害を受けることになる。このあたりに自然保護と人間の生活との狭間で考えさせられる問題があるのだ。
 サクラソウと−緒に咲いているなんとも優しいパステルカラ−の黄色い草がノウルシだ。但し、黄色い部分は苞葉としても、どこが花なのか分からないのメシベの周りをオシベが、その外側に花ぴらがあるといった、観念的な花の認識ではたち行かない世界なのだ。メシベ、オシベといった部品がぱらぱらに散らぱったような構造になる。よく観察すると、花に対する固定観念が払拭されて、自然界の多様性に感動すること請け合いだ。また、周辺の草を丹念に見れぱ、アマドコロスミレ類アマナ、など多くの野草が発見できるはずだ。


プロフィール=クマガイソウ(見沼田圃 尾島家) ゴールデンウィ−クの前半は、川ロ市、浦和市、大宮市にまたがる全国有数の花卉栽培地として有名な見沼田圃も花盛りを迎える。日本に自生する野生ランとしては最も大きな花を咲かせるのは、平家物語の一ノ谷の合戦に因んだアツモリソウ(平敦盛)とクマガイソウ(熊谷直実)だ。このクマガイソウの自生地が見沼の個人(尾島家)の宅地内にあるりこの時期だけ一般に公開されるが、竹薮の中の群落は見事なものだ。しかも、この日のこの場所で見られる花は夕マガイソウぱかりではない。エビネウラシマソウホウチャクソウカリソウキンランライラックフジツツジボタンミズキキリタチツボスミレタツナミソウジュウニヒトエクレマチスオダマキジャスミンときりがない。

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