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花追い人の撮影日記


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花追い人の撮影日記(水無月

アジサイ(光が丘公園)  "梅雨(つゆ)−『日本歳時記』(貞享四年、1687年)に、「これを『梅雨(つゆ)』と名付く」とあり、江戸時代あたりから梅雨はバイウからツユ、と呼ばれるようになったようです。  "梅雨(ぱいう)−ちょうど梅の実が熟す時期に降る雨なので梅雨。ものみな黴(カビ)を生じさせる雨、黴爾(ぱいう)が転じて梅雨になった、という説もあります。"
  "入梅(にゅうぱい)−梅雨にはいることです。暦の入梅は太陽の黄経が80度に達する日で、6月11日か12日に当ります(今年は11日)気象の分野では、梅雨前線が日本の南海上に停滞し、曇りや雨の日が多くなり始める時期をいいますから、年によって日が異なります。"
  "粟花落(ついり)―つゆ入りは、ついりともいわれます。ちょうどこの頃は粟の花が咲き散るので、墜粟花(ついり)という字を当てたりもします"(*1)

ガクアジサイ(飛鳥山公園 朝、雨が降っていたら、カメラを持って出かけて下さい。この時期、雨によく似合う花は、紫陽花と花菖蒲。
 紫陽花と言えば、光が丘公園の公囲管理事務所内に見事な花があります(写真1)。
 それよりも、種類の多さ、花の見事さ、株数の多さでは飛鳥山公園をお奨めします。公園本体ではなく、JR京浜東北線の線路沿い、金網フェンス沿いのところ、通称「飛鳥の道」が素晴らしい。王子付近を通過するときにJRの車内から見えるあれです(写真2)。
 ひとことで紫陽花と総称されているけれど、「アジサイ」は「ガクアジサイ」の囲芸品穂、「ペニガタ」は「ヤマアジサイ」の園芸品種だなんていう系統を覚えたりするとちょっとした紫陽花通。ここでは、こんなことをよく観察しながら歩くと楽しい撮影ができそうです。

ハナショウブ(水元公園) 花菖蒲と言えば明治神宮、堀切菖滞園が有名ですが、今回のお奨めは水元公園。年間を通じて撮影にでかけるのだが、一年中でもっとも素晴らしいのは6月の上旬から中旬。なにしろ、20万株の花盲蒲が一斉に開花するからです。都立水産試験場側から公園内にはいるとすぐに花菖蒲園です。花菖蒲は本来水の中でなくても十分生育できる植物ですが、開花期は菖蒲田に水を張ります。これは鑑賞用の風情を醸し出す為なのです。花菖蒲が水面に倒影しているところなんかは絶好の被写体になることは間違いありません。この時期は花菖蒲の他に紫陽花も見事だし、あの長いまつげが梅雨の雨に濡れるという風情の未央柳(ぴようやなぎ、美容柳とも書く)の大きな群落を見ることもできます(写真3)。
 ここから水元大橋を渡って、水辺にそって歩いて行くと、小合溜の川岸、芦原の湿原地、メタセコイアの森、パ―ドサンクチュアリとずっと野鳥撮影ゾ−ンの連続です。カモ類ユリカモメカイツプリカワセミバンオオヨシキリツバメ…、季節により様々な野鳥が撮影できます。水生植物園から緑の相談所を過ぎたあたりは再ぴ植物オオヨシキリ(水元公園)の撮影に切り替えます。もう一度菖蒲田が現れるが、他にスイレンコウホネホテイアオイなどの水辺の花、ヘメロカリス(ニッコウキスゲの仲間)、ニワゼキショウなどを同時に撮影することができます。この辺りはハスの名所でもありますが、この時期では少し早いから改めて出かけられると良いでしょう。(写真4)

 ところで、花菖蒲は野生のノハナショウプを原種として、江戸系、伊勢系、肥後系の三系統で園芸化されたもの。水元公園で見られるのはほとんど江戸系です。原種のノハナショウプは石神井公園で見られますが、よく似たカキツバタと混生しているので注意。いずれもアヤメに似た紫の花ですが、花の中心部が白いのがカキツバタ、黄色いのがノハナショウプです。それから、ノハナショウブとハナショウプは葉の中心部に主脈が通っているので手で触ってみるとよく分かります。ちなみにアヤメは水辺でなく乾燥したところに生えていて、花の中心部は綾目(あやめ)模様だ。いづれアヤメかカキツバタ。よく混同されるので区別を覚えておくと良いでしょう。もっとも、キショウプ、イチハツ、ジャ―マンアイゾス、ダッチアイリス、ヒオウギアヤメ、など紛らわしいものがたくさんあるからあまり厳密な区別をしようとすると混乱を招くからほどほどにしておくことだ。
(*1)高橋健司 "空の名前" 1992 光琳社出版 p76

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