「花追い人のホームページ」だ。
花追い人の撮影日記


本サイトに掲載の、写真・文章の著作権は 本サイト主宰者 にあります。無断転載/無断使用はお断りします。
LINKを張る場合はTOPページ へ。 また、 E−mail等による連絡をお願いします。

© 2001 Copyright hanaoibito

花追い人の撮影日記(光について
本稿はキャノンクラブ支部報には掲載されていません。

ポピー(神代植物公園) 前回までは、かなり季節感にこだわって本稿を進めてきた。今回からは、趣を変えて花や野鳥を撮影して行く中で感じたり考えたりしたことを、必ずしも季節にとらわれずに気楽に書いて行くこととしたい。
つまり、事務局では広く会員から投稿を求め、多くの会員の声を支部報に載せてゆくことを基本として、それでも、どうしても原稿に穴が空いたときに本稿を埋め草にするような使い方が可能になるというものだ。

 今回の「光について」というテ−マは写真雑誌の格好のテーマになっていて、各誌共1年に一回は特集を組む。いつもの、順光線・逆光線・反逆光・・・をひとつづつ説明して、というお決まりのパタ−ンで、花と女性は逆光線で捉えなさいという結論で終わる。
女性の写其は知らないが、花の写其では逆光線が基本となっていることに異存はないけれど、この問題をもう少し掘り下げて考えて見たいというのが本稿の目的だ。
というところで、今回はクイズで読者の皆様にチャレンジさせて下さい。
ヤブツバキ(神代植物公園)「花は逆光線での撮影が基本であるけれど、逆光線でなくても撮影は可能です。
それでは、逆光線でなけれぱ撮影不可能なものは何でしょうか。」
本文の末尾に正解を書きますので、出来れば正解を読む前にみなさんで考えて見て下さい。

 さて、このテ−マでの各写真雑誌は、光の方向別に解説をしているが、本稿では被写体の質感(テクスチュア−)毎に光の選択について考えてみたい。

 @薄いはなぴら:これを順光線で捕えてみても、花色が正確に描写されるという以外に特にメリットは無い。ポピ‐の花は、逆光線で花を見上げるようなローアングルで捉えるベきである。こうするとはなぴらを透過した光が美しいドラマを演じてくれる。花心の放射状に並んだ雄しベがはなぴらに影を落とす。時には太陽をポピ−の花で隠すくらいの極端な逆光線で撮影すれぱ、画画一杯に広がった青空に太陽をはらんで輝くようなポピ−がすっくと立ち上がる。こうすると、来るベき本格的な春を予感する夢のある写真が出来あがる。[写真1:ポピー(神代植物公園)1994.3.12]
 A厚いはなぴら:ツパキのはなぴらは厚みがあるのでどんなに強い光でも透過光線で撮影する事は出来ない。順光線という考え方もあるけれど、ツ楓新緑(調布市総合体育館)パキは春まだ浅き1〜4月の花。雪でも降ったあとの弱々しい曇り空の光線で捉えるるがもっとも似合っている。こういう光は特に方向性が無いから順光線とも逆光線とも言わない。強いて言えぱ、花のバックに微かむ木漏れ日が欲しいから、やはり逆光線ということになる。[写真2:ヤブツバキ(神代植物公園)1996.1.20]

 B薄い葉:カエデの葉は透過光線がセオリーである。新緑なら、バック全体がグリ−ンかぷりになる様な角度を探して数枚の葉を葉脈が見えるところまでアップで捉える。個々の葉の表情と春の日増しに強くなる光があれぱ最高だ。紅葉なら、パックは例えばイチョウの黄色のアウトフォーカスで画面を満たしておいてカエデの赤をアップで捉える。弱めのやわらかい逆光線で捉えた紅棄は日本人好みの詫び寂びの世界だ。[写真3:楓新緑(調布市総合体育館)1996.5.11]

 C厚い葉:以前に本稿で書いたことがあったが、ツバキやマテパシイの業はクチクラ層が発達していてよく光を反射する。これを順光線側からアウトミヤコワスレ(等々力不動尊)フォ−カスで捉えると画面は美しい玉ボケで一杯になる。何か手近な被写体に対してこの玉ポケを背景に使うと美しい写真になる。この時は、絞りを開放にすれぱ円形、絞り込めぱ絞り羽根の枚数分の多角形で小さなポケになる。この玉ボケは反射光なのでPLフィルターを使えぱ強くすることも弱くすることも自在だ。[写真4:ミヤコワスレ(等々力不動尊)1996.5.18]

 D毛:ネコヤナギの花、コプシのつぼみ、ポピ−の茎やつぼみ。そして犬や猫。毛のあるものを強い逆光線を当てると、いわゆるラインライトが浮き出る。女性ポートレートで逆光線にモデルをセットして顔がシルエットにならないようにレフで光を起こすのはそのためだ。花の撮影でも全く両じ。小さめのレフをカメラバックにひとつ忍ぱせておくと良い。写真5:マグノリア(練馬区 四季の香公園)1994.3.25]
 さて、先程のクイズの正解は「太陽」。これを順光はもちろん、斜光や反逆光で捉えることは不可能です。画面に太陽が入っている写真はすベて逆マグノリア(練馬区 四季の香公園)光線になります。「星(恒星)」も正解とします。「月」は、これを光源と見なせぱ正解とも言えますが「月」そのものが太陽光の反射ですから、満月は順光、半月は斜光ということになるので不正解とします。ほとんどの方が正解を出されたと思います。

 では、次のクイズは宿題とします。

「順光でなけれぱ撮影できない被写体は何でしょうか?」特にヒントはありません。逆光、半逆光や斜光線で撮影することは不可能です。

解答が分かった方は決して掲示板に書き込まずに、E−mailでお送りください。賞品については、正解者の人数などによって何か考えてもいいかなと思っています。ただし、郵政省メール(今は総務省郵政事業局メールっていうんですか?)の届くアドレスと氏名を連絡いただくというのが条件です。個人情報はそれなりに厳重に管理いたします。出題者の予想もしていない解答が来るかもしれませんし、それを正解とすることもありえます…。
(2001.3.28:締め切らせていただきました。おもしろかった!)

クイズの解答について

次のページへ 前のページへ 「花追い人の撮影日記」のインデックスへ トップページへ
「次のページ」、「前のページ」がないときはインデックスへ