6.由布島(1)−亜熱帯の植物と蝶
[2005年 3月 9日(水)](その3)
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ヤシ類(由布島亜熱帯植物楽園) |
由布島亜熱帯植物楽園を散策する
温室などで部分的に見聞きすることはあっても現地の環境の中で沖縄=亜熱帯の動植物を見るのは初めてだ
どちらを見ても珍しいものばかりで感動の連続であった
まずはヤシ類の洗礼を受ける
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スジグロカバマダラ(由布島亜熱帯植物楽園) |
園内には「ちょうちょうえん」があるのだが、その周辺には明らかに蝶が多い
もともと沖縄に棲息する蝶ではあるが、「ちょうちょうえん」の近くに多いと言うことは
やはり、逃げ出しているのだろうか
それとも、かつて逃げ出したものが繁殖でもしているのだろうか
それにしても、地植えのランタナにとまる蝶、これだけでも沖縄ならではの風景に相違ない
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亜熱帯の空(由布島亜熱帯植物楽園) |
まるで盛夏の空のようだが、これで3月
それでも季節の変動のある沖縄で、
本当の真夏にはどれだけ暑くなるのかと考えるとちょっと恐ろしくなる
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モモタマナ(由布島亜熱帯植物楽園) |
温帯と比べるとやはり季節の変動は少ないはずの亜熱帯で
モモタマナは落葉性の植物になる
落葉樹は冬の光が弱くなる温帯で、冬季の葉の維持コストと春の葉の再生コストとの比較から作られた戦略だという教科書的な解説では説明しにくい
もともと熱帯各地に分布するモモタマナがどうして落葉性なのか理解に苦しむところでだ
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ブーゲンビリア(由布島亜熱帯植物楽園) |
温室などで見慣れているブーゲンビリアが本来の環境の中で普通に花を開かせている
なんとなくそれだけで満足したような気がする
ちなみに、花のように見える赤い部分は実は葉の変形である "苞(ほう)"
という器官、
本当の花は、中央のとんがった白い部分だ
本当の花の部分の形が分かると、この植物がオシロイバナ科だということに納得することができる
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ヤシ類(由布島亜熱帯植物楽園) |
このビーズのネックレスのようなものはヤシの花である
放射状に伸びるような感じのものや
暖簾のように垂れ下がるものなどいろいろな形があるが基本的な雰囲気は共通している
どこか生命力の根元のような力強さを感じるのは私だけだろうか
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珊瑚の展示(由布島亜熱帯植物楽園) |
貝殻や珊瑚などの展示された建物がある
あまりに美しすぎて自然のものそのままというような気がしない
こういうものが本当に棲息している海の中を想像することができない
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ちょうちょうえん(由布島亜熱帯植物楽園) |
それにしても「ちょうちょうえん」のこの看板、すごいと思いませんか
ひらひらと飛ぶ「二つ折りの恋文」ともいわれるイメージと同時に存在する
翅と翅の間の妙にリアルな虫という感じ
そのあたりの印象をむしろ強調しているようだ
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スジグロカバマダラ(由布島亜熱帯植物楽園) |
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スジグロカバマダラ(由布島亜熱帯植物楽園) |
昆虫の知識が無く名前も判らないというのが実態だが、
こいつはスジグロカバマダラ(タテハチョウ科マダラチョウ亜科)というそうだ
東南アジアに分布、日本では宮古島以南の南西諸島だけに棲息する
派手な色彩は有毒だよということをアピールしているとも言われているようだ
でも、各地の昆虫園などでは結構見ているのかも知れない
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オオゴマダラ(由布島亜熱帯植物楽園) |
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オオゴマダラ(由布島亜熱帯植物楽園) |
ちょうちょうえんには砂糖水を含んだ綿を入れた皿がぶら下がっており
ここには異常にたくさんの蝶が群れている
右はコエビソウ(ベロペロネ)に止まったオオゴマダラだ
この蝶も沖縄諸島以南に分布するという
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リュウキュアサギマダラ(由布島亜熱帯植物楽園) |
ゴマダラチョウ科のリュウキュウアサギマダラだ
東京都日野市の多摩動物公園の昆虫園でこの蝶の歴代飼育・周年展示に成功するまでの物語を読んだことがある
そういう意味では各地の昆虫園ではお馴染みになった蝶だが、本来はなかなか見られない蝶のようだ