2.燧ヶ岳にて道を失い登山断念
[2005年 6月22日(水)](その2)
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燧ヶ岳の雪渓(尾瀬 燧ヶ岳) |
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燧ヶ岳の雪渓(尾瀬 燧ヶ岳) |
早春の燧ヶ岳は登りはじめてからとにかくまったく人に出会うと言うことがない
どうやらまったくの無人の山のようだ
御池側から登りはじめて、見晴(下田代)側に下山しようとしていたのだが、
ある高さまで登ったところで、雪渓が突然多くなる
更に、道はどうしても先に進めない
樹木に巻いてあるテープなどは登山道であることを示しているのだが
雪渓で足許が見えないところで道が無くなるのである
ブッシュが厚くて踏み込めないという感じだ
あちこちルートを探してみたがどうしても先に進めない
しょうがない、断念して登ってきた道を戻ることにした
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ミズバショウ(尾瀬 燧ヶ岳) |
来たときと同じ道なのだから、同じ花が咲いている
まあ、同じように楽しみながら下ってゆけばよいということだ
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木の根(尾瀬 燧ヶ岳) |
登山道にはありがちな木の根に覆われた地面である
土の上とは摩擦が違うから足の感覚はだいぶ異なるのだが
特に滑ると言うわけでもなく、踏む場所を誤らなければ特に危険と言うこともない
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オオカメノキ(尾瀬 燧ヶ岳) |
それにしても、清楚に咲き誇った花たちの世界にたった一人で迷い込んだようだ
花が人間のために咲いているのでは無いということは判っていながら
私一人のためにこれだけの花が咲いているのかと思うと実に贅沢な時を過ごしているという感慨に浸れる
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ムラサキヤシオツツジ=ミヤマツツジ(尾瀬 燧ヶ岳) |
ツツジ、街中でもお馴染みの花ではある
でも、山の中の人が歩けないくらいの急な斜面に咲いているのが本来の咲き方であると感じる
そういう意味で、深山躑躅の名が相応しい
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ミヤマカタバミ(尾瀬 燧ヶ岳) |
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ミヤマカタバミ(尾瀬 燧ヶ岳) |
ミヤマカタバミとコミヤマカタバミの区別が出来ない
それにしても、里に咲くカタバミの小さな冴えない花と同じ仲間だとは思えないくらいの美しい花を咲かせる
標高が高ければ高い程、植物の生息環境は厳しくなる
厳しくなるほど、植物の体は小さくなるのだが、花だけは逆に大きくなるということだ
昆虫などの花粉の媒介を行う動物が少なくなるため花を大きくして目立たせる必要が有ると言うことなのであろう
小さな体に似合わないほどの大きく美しい花
これこそが高山植物の魅力ということができる
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オオカメノキ(尾瀬 燧ヶ岳) |
咲いているオオカメノキもいい
それはそれなんだけれど、雨に濡れたオオカメノキの葉の美しさも相当なものだ
山を遠くから見たときの新緑の美しさを担っている
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リュウキンカ(尾瀬 燧ヶ岳) |
よくミズバショウと混じって彩りをつけるリュウキンカが足許に咲いている
周囲に誰もいないので、しかたなく一人でアアだとかオオだとか言いながら感動している
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燧ヶ岳緊急下山 11:16 |
御池の登山口まで戻ってきた
燧ヶ岳を迂回して今日中に見晴(下田代)まで行かなければならない
燧ヶ岳の山越えを断念して引き返したのだから
ここからのルートの時間が厳しいのは当然のことだ