秋、紅葉前線が手に届くところに
11月第2週(11月12日〜11月18日)
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10月22日から11月3日まで神代植物公園で開催しました「亀っ子倶楽部」の写真展『華・はな・花』には会期中たくさんのご訪問をいただきありがとうございました。今年の春に東京都により緑の相談所の閉鎖が決定され、ギャラリーの運営の関係で写真展が開催できませんでした。来年からは従来通り春秋2回の開催に戻ることができると思いますので引き続きよろしくお願いします。
同じく11月3日から5日まで開催の和光市中央公民館祭りへのキャノンクラブさきたま支部からの作品出品が始まりましたのでこちらもよろしくお願いします。
ところで、北海道や東北、あるいは本州でも標高の高い谷川岳あたりから紅葉の便りが聞いかれるようになってだいぶ経つがいよいよ東京近郊の紅葉が本格的になってきた。
紅葉といえば、葉が紅くなる現象を植物の名前につけたもみじ、つまりカエデの仲間が連想されるが、もちろん紅葉はカエデの仲間の固有の現象ではない。ウルシの仲間をはじめカエデよりも真っ赤になる樹木もあるが、このナンキンハゼ(トウダイグザ科)もその一つである(写真1)。
そして、落ち葉を潜り抜けるようにして咲くのはイヌサフラン(写真2)。もしかすると日本名のイヌサフランよりも学名のコルチカムのほうがおなじみかもしれない。高校の生物くらいの授業、種無しブドウの単元。ブドウの種をイヌサフランから抽出したコルヒチンという物質で処理すると染色体数が3倍体となりこの種から発芽したブドウは種無しブドウになる、なんて習ったかもしれません。なんで種無しブドウの種があるんだなんて思ったりしませんでしたか。
徹夜勤務の明けだから朝ゆっくり出発したこともあるが、あちこちで渋滞に巻き込まれて御殿場インターに到着したのは夕方に近かった。とりあえず箱根仙石原に直行。台ヶ岳で穂のたったススキを見たときはすっかり夕方の光になっていた。秋、というより、初冬の箱根。それでも、ススキの穂がたつ頃の仙石原は観光客がいっぱい。(写真3)
ある本にススキについて次のようなちょっと素敵な話が載っていた。
ある雨の日、歌会が催された。そのおり、ある人が「マスホノススキとはどういうススキをいうのか」と持ちだした。誰もそれに答えられないでいたが、「知っている人を知っている」という者がいた。それを聞いた登連法師という男が立ち上がり、かねてから疑問に思っていたのですぐに聞きに行くといいだした。人々はせめて雨が止んでからにしたらどうかといったが、法師は頭を振って「さてさて、はかなきことをいうものかな、人の命は雨の晴れ間を待つものかな」といって出かけていった。
(蔵持信朗、北原いくみ "秋の花、いろとりどり" 1993 北隆館 p110)
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