昭和記念公園は夕映えの水鳥。郷の秋は吊るし柿。
12月第3週(12月17日〜12月23日)
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いままではなぜか昭和記念公園というと夏の最も暑い時期ばかり訪問していた。ハスの花が咲く頃、大汗をかきながら園内をまわったという印象ばかりである。寒い季節は今回が初めて。ゲートをくぐると約50000平方メートルもある広大な池。北側にはバードサンクチュアリーがあり、カワセミが営巣する。カモ類はもちろんビリケンとかセキレイとか。広大な園内に来園者が少ないということで野鳥たちのくつろいだ表情が見られる。
池をあとにして園内に歩いて行く。イイギリの実が地面にたくさん落ちていてしっかりと来園者に踏みつけられたあと。真っ赤な実がたわわになる時期には少し遅かったのかなと言う感じであった。そのまま通り過ぎると、一本だけちょうど実の盛りを迎えているものがあった。現金なことに1本でもちょうど食べ頃な樹があればたくさんのヒヨドリが訪れる。あとからあとからにぎやかなことだ。
昭和記念公園を一回りして(といっても、日本庭園あたりで戻ってきたのであるが)再度池に戻ってきた。カモたちに混じって一羽のダイサギ。池の水中をゆっくり歩きながら餌を探す大型のシラサギ類だ。コサギよりもずっと大きく、特に首とくちばしが長い。夏羽ではくちばしは黒く、背中には飾り羽が出る。冬羽ではくちばしは黄色い。足は常に黒い。長い足をいかして深い水中を歩きながら魚を捕らえる。ダイサギそのものも美しかったけれど、それよりも夕方近くなって池に当たる何とも言えない光が水面をほのかに赤く染めて美しい。ダイサギの歩いた跡が水面が光に輝いて一筋光った。(写真1)
ふつうの旅館ではなく、ひょんなご縁から茨城県大子町の農家に何回かお世話になっている。旅館の料理とは違って農家で普段食べているのと同じ物をいただくという素朴なグルメツアーだ。初日は別の農家のおばちゃんがやっている蕎麦屋でうまい蕎麦を食ってからの男体山の山登り。標高・距離はたいしたことはないが、登山道の勾配がすごい。まるで垂直のところをよじ登って行くといった感じ。山頂からの太陽は天使の梯子(太陽からの光が雲間を梯子のように見えること)がしっかり。
茨城県大子町のS宅。この辺りの典型的な農家である。県の指導で農業以外の現金収入を図るということで、民宿のようなことを営む方向にある。本格的な民宿経営ではなく前に年寄りがいた離れに客を泊めるという程度。どこの民宿でもやっているような冷暖房完備なんていうのからはほど遠く冬は冷え込むばかり。今では珍しい汲み取り式の
"はばかり" である。
いわゆる民宿的なサービスは一切なく、農家への個人的な来客をもてなす方法のサービスである。料理は家の人たちと同じ物を薪ストーブを囲みながらいただく。春はタケノコやタラの芽。今日のメインは先ほど山で捕れたイノシシを料理した獅子鍋。野菜類がすべて自家製だからこれがまたすこぶる付きの絶品。
今はちょうどお正月の準備が始まったところ。今日は手伝いの人を頼んで、たくさんお餅をついた。白いお餅はもちろん、ヨモギの草餅、そして、豆餅が絶品。母屋でも離れでも至る所にぶら下がっているのは干し柿。大きな渋柿、日当たりのよい軒先が柿の渋を甘みに変える。夜の冷え込みが厳しいほど美味しい干し柿ができるとのこと。干し柿には「寒村」というイメージがあって、日本人のふるさとのイメージとオーバーラップする。このあたりがよく写真の被写体にされる理由であろう。朝起きると、部屋の障子に干し柿の影が映る。干された柿とその影が同時にフレーミングされるところ。次から次からよい被写体になってくれた。(写真2、3)
干されている柿をじっくりと見てみると、へたのところがT字型になっている。つまり、枝から実がついている部分(果柄)をもぎ取るのではなく、実が付いている部分の前後の枝を切り取るのである。こんなことをしたら、実の付いたところより先の部分は切り落とされることになる。一つの枝に二つ以上の実を付けることは無いのだろうか。枝を切ることにより次の新しい枝が生えてくる為の剪定の作業を兼ねているのだろうか。
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