花追い人のホームページです。
シーズンズグリーティング
1月第2週(1月7日〜1月13日)
(まだまだお正月気分につき 特別増刊号)

お正月は「一富士」
温暖な伊豆でアロエの花を

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富士山(朝霧高原)[1月10日]
 御殿場を起点としてカーナビに本栖湖をセットする。カーナビが示すルートは富士山を左にまわる籠坂峠〜山中湖のコース。強引に逆回りに富士山スカイラインを目指しても、カーナビはしばらくは左回りに戻るルートに誘導しようとする。富士山スカイラインの入り口(国立青年の家)あたりで右回りの富士山スカイライン〜白糸の滝〜朝霧高原のコースを指示するように変わった。御殿場から本栖湖のコースはどちら周りでも微妙な違いくらいということがはっきりした。
 朝から雨が降っているとどうしても撮影に出掛けるのは億劫になりがちだが、同じ晴でも最初から晴れているよりは雨上がりで晴れてきたときの方が素晴らしい条件になりやすい。このことが雨が降っていても撮影には出掛けなければならない理由なのだが、逆に天気が全く回復しないということもあり、こういう時は終日雨の中で苦労して全く報われずじまいになるということもある。
富士山(精進湖) 冬晴れの富士山というのは厳しい表情を見せていてなかなかの迫力である。ところが逆に風景写真的に見ると余りにも条件がよくて雲ひとつ無いということになるといわゆる絵はがき写真というものになってしまう。こういう時は前景に何か面白いものを入れて富士山の力を弱めてしまうか、逆にアップに迫って富士山の力で圧倒してしまうかのどちらかをしなければならない。(写真1)(写真2)
 本栖湖は国道側の駐車場付近にちょっと車を乗り入れただけで通過して精進湖へ向かった。精進湖の隣の小さな池は赤池。精進湖とは別の湖(池)である。遊歩道が整備されていないこともあり観光客が訪れることは稀で、足を踏み入れたら釣り人がひとりと私だけ。眼下の池面は全く日の当たらないところになりしっかり氷が張っていた。
雲(諏訪の森公園) 精進湖には車のまま湖面まで下りられるところが何カ所かあるが今日はいづれも通過。車がやっと四台ほど駐められる湖面をはるかに見下ろすことのできる展望台が一箇所。ここに車を停める。いつもは眼下にヘラブナの舟がたくさんならび湖水に糸を垂れている。冬期は一面に凍結することもあるが今日は釣り船も凍結も見られない。富士山がいつもより間近に見られるような気がする。
 足和田村村営野鳥の森公園。見るからに大型の超望遠レンズを付けたカメラを構えてはいるものの一向にファインダーを覗こうともしないカメラマン。そして彼から何かと情報を引き出そうとしているバードウォッチング初心者とおぼしき一組の夫婦連れ。あとからあとからどこそこで何の鳥を見たという自慢話の連続。ヤマガラなんかどうでもいいという態度が見え見え。話に加わらない立場としてはあまり感じのよいものではないが、本人には快感なんだろうな。
船を見送る−アロエ(伊豆 戸田岬) 朝の出発が少し遅かったこともあって、気がついたら一時に近かった。そういえば昼食の時間を過ぎているのに何も食べていなかったことを思い出した。久しぶりに紅葉台のしいたけ入りのうどんを食べてみたくなった。今頃は訪れる人も少なく、そろそろ店じまいしようと思っていたとのこと。富士山の他に特に見るべきものはない。
 紅葉台のレストハウスの食堂前のマツの木に大きくツルウメモドキが絡み付いている。その正面にはどんと富士山がそびえ立つ。このツルウメモドキが以前から気になっていたが、食堂前のベランダに出られなかったので撮影出来なかった。今日は客が少なかったこともあってベランダへ出ることがOKとなった。
群生−アロエ(伊豆 戸田岬) 夕方近くなって、あとは新しい撮影地の開拓・下見に当てることにした。以前から知っていたところだが恩賜林庭園。以前はフランス庭園くらいしかなかったが周囲の施設が拡充して、花が咲く頃にはいい撮影地になりそうである。以前から名前はしていたが案外訪れていなかったのが諏訪の森公園、別名パインズパークの方が通りがいいかも知れない。入口近くの広場だけだが結構よさそうである。(写真3)
 夕方近く目前の富士山とさまざまな樹のある広場。日没が近くなっていて刻々と光が変わる。空の色、雲の色が光の変化に反応する。子どもたちが数人遊んでいる。ここも撮影地の下見のつもりで訪れたのだが結構よい撮影地になりそうだ。今日は時間が無く十分な撮影は出来ないが再訪を決意。
浮かぶ−ユリカモメ(伊豆 大瀬崎) 日没が終わってもしばらくは光の状態が刻々と変化し続ける。車はとうに帰路についていてたまたま山中湖に差し掛かったところ。周囲の色が黒く落ちてきたあたりで空には少し明るさが残っている。空のかすかな明るさが湖水に光を供給する。昼と夜とのせめぎ合いの瞬間。
空のほとんどに光がなくなったころ、水面のわづかな光が湖岸のカーブの先にボートの船外機のシルエットを浮かび上がらせた。

[1月11日]
 平日に撮影行に出るというのはどこでも空いていたりしてなかなかメリットがある。ひとつ気をつけなければならないのは場所によって平日に休業があること。修善寺の虹の郷まで車を走らせてから休業と判明。やむなく西伊豆へ目的地を変更。戸田岬へ降りる分岐点を通過、砂嘴を見下ろすあたりで見事なアロエを発見。しばらく予定外の撮影を楽しんだ。
石にまぎれて−イソヒヨドリ雌(伊豆 大瀬崎) アロエというのは花としては特別に美しいものではない。それでも、房総半島とか伊豆とかの暖かい地方でなければ露地栽培ができないような寒さに弱い植物のためトロピカルなイメージがなかなか素敵である。そんなこともあって暖かい海岸によく似合う。海岸の急斜面にたくさん植えられて遠くに行き交う船なんかにとてもよく似合う(写真4)。
 岬の上から海を見下ろすあたりに旅館が数件並んでいる。「水着の砂をよく落として下さい」みたいな海の家との中間のような小さな旅館だ。こんな旅館の前、海岸を目の前にアロエが何株か植えられている。ちょっと撮影をと思って近づくとその向こう側が海に向かって断崖になっている。よく見ると断崖いっぱいにアロエ。しばし夢中の撮影となってしまった(写真5)。

 大瀬崎はのどかな冬晴れで海面にのんびりとユリカモメが浮かぶ(写真6)。砂嘴を一周して戻り掛けたとき、海岸にあるごろごろの石にちょっとした違和感が感じられたことからこの鳥を発見。海岸の黒っぽい石ころと見分けがつかない地味な鳥。もちろん見ているときは鳥に見えるのだがいったん視線をはずしてしまうと再び石と見分けがつかなくなる。本人(?)もそのことをよく知っているのだろう。人間が近づいても全く逃げる気配がない。逃げる気配がないこと自体が一番効果的に逃げたことになるのだ。あとで調べたらイソヒヨドリの雌であることがわかった(写真7)。

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