花追い人のホームページです。
シーズンズグリーティング
1月第5週(1月28日〜2月3日)

突然の寒波。伊豆に雪、凍てつく山中湖。

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春の予感−ツバキ"中京錦"(伊東市 小室山公園)[1月28日]
 さて、前回は3泊4日の撮影行の第1日目だけを紹介した。2日目は前日に続いて伊豆半島。といっても、拠点は御殿場だからそこから2日続けて伊豆へ通うということになる。いままでは小室山公園(伊東市)というとツツジの名所という印象しかなかったけれど、実は相当大規模なツバキ園を擁している。この翌日からツバキ祭り(*1)が始まるということで花はだいたい咲きそろったところだ。ほとんど借り切り状態のツバキ園での快調な撮影が始まった。伊豆半島といえば、まず第一に温暖な気候だ。なかでも伊東市ということになるとまず雪なんてことはあり得ないというイメージだ。ところが昨日は雪。朝、寒冷な富士五湖方面か温暖な伊豆方面か悩んだ結果の伊豆方面。ツバキに雪を乗せためずらしい伊豆の風景。たまにはこんなのもいいじゃないか。ということだ。(写真1)
(*1) 本文の日程は昨年のものです。今年はつばき鑑賞会は2月17日〜3月11日、また、2月11日に大室山の山焼きが行われます。

[1月29日]
 久しぶりの寒波である。寒い日はついつい伊豆方面の暖かい方へ向かいたくなるのだが、こういう時にあえて寒い方へ足をむけるとなにかいいことがある(こともある)。葉を落とした梢に小さな針のような樹氷がはりつく。本当ははかない風景だから朝早くに訪れなければいけないのだがこの日はめずらしく10時台までOKであった。夏はいつでも大渋滞の山中湖湖畔道路だが冬はいつでもがらがら。それが寒い朝ともなると週末であってもよほどの物好きだけ。そこをたまたま訪れた人は特にカメラマン雪の上で−ススキ(山中湖)ではなくて、車から降りて偶然に樹氷を発見する。それからカメラを向けるという具合だ。大きな木は枝先だけの氷化粧であるが比較的小さな木は全身を白く化粧している。樹氷のついた梢に遊ぶエナガたちの群に誘われて少しずつ湖畔に降りて行く。雪の上に枯れたススキが穂を垂れている。こういう風景は空が晴れて光がたっぷりあるときは、それだけですばらしい風景となる。湖畔へ降りて行くと同時に富士山がぐっと間近に見えるところが山中湖のいいところだ。雪の中に枯れた草が。というシュチエーションというと冬の寒さを連想するかも知れない。確かに、立春間近の時期になると寒さはピークなのだが急激に光が強くなって青空が抜けるように広がってくる。気温よりも先に光の春が訪れている。そんな春の微かな息吹を感じながらの雪の中での撮影だ。(写真2)

 いったん車に乗ってほんの少し移動して撮影場所を変える。今度はオーママ岬である。このあたりは冬期は湖面に薄い氷が張ることが多い。この日もこの通りであった。湖を少しまわっているので光の方向が変わっている。影が見えなくなっている。雪が順光線で明るく映っている。こうなると湖面に氷が映っていても逆に寒さを感じなくなってしまっている。立春を目の前にした晴れた日には光の中に春の兆しがあってどうしても寒々とした風景が表現できなくなる。降った雪はやがて融けて大地を潤す雪解け水になるように薄い氷はやがて融けて暖かい湖水の水になる。枯れた草もやがて再び芽を出し直して湖水の風に揺れる背の高い葦になる。山中湖も暖かくなると急に多くの観光客が訪れるようになる。日没にはまだ相当早い時間帯。早めの帰路に山中湖からの富士山展望の名所である長池あたりを通過する笠雲と吊し雲(山中湖 長池)と湖畔にやけに三脚を立てたカメラマンが多い。見ると富士山の山頂ぴったりに太陽が沈もうとしている。こういう情報は誰かが調べてあっと言う間に関係者に広まるのであろう。あわてて駐車場所を捜したが沈み行く太陽のスピードは予想以上に早くゆっくりと撮影どころではない。撮影を終えて少し移動すると太陽はたちまち山頂から動いた。そうしてみると沈むにはまだまだ早く高いところに太陽が輝いていた。

[1月30日]
 朝から抜けるような晴天だ。3泊4日の御殿場暮らしの最終日は早めに東京に戻って神代植物公園にでも立ち寄ろうかと思った。調布に出るのなら中央高速までまわってということで、籠坂峠・山中湖経由、河口湖ICのコース。籠坂峠の夕月公園で二重笠雲の撮影。ここはいつもは富士山の山頂部分を見ながら通過してしまうところである。西高東低。典型的な冬型の気圧配置。抜けるような青空に強い北風。富士山山頂には二重三重の笠雲が掛かり、富士山山頂からちょうど風下に当たる、山中湖の真上とおぼしきところに巨大な吊し雲が掛かった。こんなにはっきりとした教科書に出てくるような笠雲・吊し雲は珍しい。こういうときには普通の雲は影も形も存在しない。(写真3)

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