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2月第1週(2月4日〜2月10日)
立春と共に各地より梅のたより
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[2月5日]
オートフォーカス(自動焦点)、オートエクスポージャー(自動露出)。あなたはシャッターボタンを押すだけでプロ並みの写真が撮れます。カメラはそういう方向に急速に進歩した。もはや撮影の失敗はあり得ないまでになりつつある。こんな時に昔のマニュアルカメラに戻ってみるのも楽しいものだ。操作は少し面倒くさいけれどカメラを意のままに操作して写真を撮るというわくわくとした喜びを感じる。中野にある中古カメラ店に行って今までのシステムとは全く関係のなく撮影操作が楽しそうなシステムを捜す。二階のオリンパスとニコンのコーナーと一階のキャノンとミノルタのコーナーを何回往復したであろうか。結局交換レンズが中古市場にたっぷりと供給されているキャノンのFDシステムに決定。約20年前に発売のAE−1プログラムと50ミリF1.8、135ミリF3.5という少年時代からのあこがれのもの。わくわくするようなシステムを全部で二万五千円でそろえた。さっそくの試し撮りは近所の公園。あんまり神経質な写真ではなく手持ちで気楽に撮れるものをみつけての数カット。(写真1)
写真は機材ではないという言い方もあるのだが、実はカメラが変わると写真が変わるという方が本当だろう。もちろん高級なカメラだといい写真が撮れるという意味ではない。オールドスタイルのマニュアルカメラにはそれにふさわしい被写体とそれにふさわしいゆったりとした時間。すこしオールドな撮影スタイルがふさわしい。そういう撮影気分の違いが写真を変えてゆくのだ。
[2月6日]
葉も厚ければ(ツバキの語源は厚葉木、艶葉木との説があります)、花弁も十分に厚い。これは春、昆虫たちが活動を開始するより前に開花して昆虫ではなく鳥によって花粉の媒介をしてもらうツバキにとっては当然のこと。昆虫よりも体の大きな鳥には丈夫な花弁がふさわしい。そして昆虫よりもたくさんの花粉や蜜を与えないと花粉媒介を行って貰えない。そんなツバキが咲き始めた神代植物公園に出かける。
昨年は開花期が遅れに遅れてずいぶん心配した梅であるが今年は順調に咲き続けている。白梅を中心とした早咲き種がだいたい一巡してぼつぼつ紅梅系が咲き始めている。これは
"道知辺(みちしるべ)" という "野梅系" の代表種。野生種に近い系統という意味だと思うが素朴な花姿が美しい。私は鼻には自信がないが香りが高い系統だという。(写真2)
[2月7日]
梅は開花期が長いということもあるが、この時期は他の花が少ないということもあって何回も見に行く花ということになる。だからできるだけ異なる環境で見ておかないと花期が終わるまでに飽きてしまうということになりかねない。というわけで鎌倉。梅はもともと人工環境に咲く花ではあるが寺院に咲くものは全く違った風情になることを期待してのことだ。
英勝寺。鎌倉唯一の尼寺ということでどこかやさしい雰囲気の漂う寺である。もちろん梅を目当てに訪れた訳だが入ったとたんにスイセンが目に入った。必ずしもたくさん咲いているというわけではないけれど、ちょうど逆光線に入ったスイセンが透過光線でとても美しく見えた。なんの園芸改良もしていない自然種そのままのニホンズイセンであるのもなかなかよかった。
この門の前の梅の木はある写真家が撮影して鎌倉の花の寺を紹介する書物に発表したものである。英勝寺は何回も訪れているがこの写真を見たときに、細かい撮影場所が分からなかった。それでも梅が咲いている時期に出向けばなんとか分かるものである。手前の木とかたくさんの障害物を除けての厳しい撮影条件である。それでも、門の右側が少し欠けているのはこの少し前に看板が立てられている為。
早春の花は黄色。このマンサクもやはり春の訪れを表す喜びの花。まず咲くからマンサクというよりも、植物と共に生きる農民たちの一年の始まりに咲き始めてこの一年の豊年満作を祝う花というように解釈をしたい。マンサクの小さめの花もなかなかよいけれど、シナマンサクの大きめの花の方がやはり見栄えは上のようだ。(写真3)
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