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2月第4週(2月25日〜3月3日)
あこがれの超望遠レンズの入手まで
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[2月28日]
野鳥の撮影には超望遠レンズが必要である。ところがこういうレンズというのはとにかく巨大な図体をして重さも半端じゃないから持ち運ぶことは困難である。だから私のように歩き回って被写体を捜すタイプの撮影にはとにかく大きすぎるのだ。それに極めて高価。レンズだけで数十万円、時として百万円に近い物もある。だから、あこがれてはいても入手する事はできなかった。
不可能なものを可能にするにはいくつかの発想の転換が必要である。
発想の転換の一つめ。今までのカメラシステムの拡張というふうに考えない。もちろん、中古市場を視野に入れる。別システムでもよい出物があったら入手するというもの。これだけの大型レンズはカメラに付属するものとは考えずにレンズを見つけたらそれに合わせたボディーも調達しちゃう。事実金額的にも圧倒的にレンズの方が高価なのだからそう突飛な考え方でもない。
発想の転換の二つめ。今までの撮影機材と一緒に持ち運ぶことを断念する。花の撮影に行くときは超望遠レンズのシステムは持って行かない。気楽なスナップの時は当然身軽なシステムだけだ。野鳥の撮影に行くときは他の被写体には見向きもしない。こういう風に撮影スタイルを変える。そう考えればこれだけを持ち歩くときは、いつも持ち歩いているシステム全部より軽いということもあるのだ。
中古市場を何回か見て回ったところ、野鳥撮影に向く超望遠レンズは17万円から20万円くらいというところ。それでもやっぱりちょっと高価。だが、新品での実売価格が約50万円〜70万円だとすれば安いものだ。しかも、このクラスのレンズとなると誰でも使いこなせるものではなく、買ってはみたものの全く使えなかったか、逆にベテランが丁寧に使い込んだ物かのどちらかだろう。この前一番安いものが16万8千円、唾を付けずに帰ってきたのだがもしかすると相当な
"出物" かも知れない。心配でもう一度出かけたら、なんと11万円の超出物に遭遇した。即購入してしまった。ボディーはキャノンT−90を考えていたがレンズが安かったから
newF−1AEをおごってしまった。ボディ込みで17万円。こうして誰にも負けない(?)システムが組上がってしまった。
FD500mmF4.5Lという超弩級のレンズ。専用のアルミケースに入れて持ってみると大きさと重さに改めてとんでもない代物に思えた。とりあえず試用のために光が丘公園へ。いつでも公園にたむろしている地元の野鳥くらぶの連中。今まではお互いに全く無視の間柄だったのだが、こういう物を持っていると向こうから話しかけてくるものだ。新しい写真撮影の世界が開けるための道具であるだけでなく新しい人間関係を作り出す力すら持っているようだ。
ヒヨドリだのメジロだのいつもの鳥のいつもの姿だが、ファインダーが明るくシャープだから覗いているだけで感動の連続だ。羽の一枚一枚が美しい。野鳥撮影の経験のない人だったらこのクラスのレンズで鳥をファインダー内にとらえることだけで大変なことだろうが、いままでF8のレフレックスレンズで捉えていたことを考えればファインダーは明るいしフォーカスリングは軽いし夢みたいな撮影だ。小さな鳥もばっちり捕らえてものすごく気持ちがいい。しばらくはまりそうだ。(写真1)
[3月2日]
500ミリのレンズを買ってからというもの、連日の野鳥撮影三昧。とにかく鳥の見られる可能性のあるところならどこへでも出かけてしまうようになってしまった。というわけで、年に一回くらい訪れる埼玉県川本町の白鳥飛来地へ。3月に入ってもまだ居るかなという感じで恐る恐る出掛けたところ駐車場が空いていてあれっと思ったが、それは平日だからであったようだ。あと一週間くらいはハクチョウは居そうだとのこと。
この場所は一般的にはあまり有名な場所とは言えないので訪れてくる人たちはこの場所をよく知っている人たちだ。本格的な撮影機材を持ってきている人は少ないけれど、ちょうど10時に餌付けが行われることを承知でこの時間を目指して来る。ハクチョウはもちろんオナガガモたちも餌付けに合わせた行動、大量の鳥がひしめくように採餌する姿を見ることはできるが、自然の姿の野鳥を見るのなら、この時間をはずした方がよい。
以前、この場所にオオハクチョウが飛来したこともあるとのことだが、ここで見掛けるのはコハクチョウばかり。オオハクチョウとコハクチョウはその名の通り大きさが違うのだが、フィールドではちょうど並んでいるときでもなければ大きさによる識別はできない。くちばしの黄色い部分が黒い部分に切れ込むように大きくなっているのがオオハクチョウ。黄色と黒の境目が直線的なのがコハクチョウである。体全体が黒っぽいのは今年の幼鳥である。(写真2)
川本町は関越自動車道の花園インターチェンジ。武蔵丘陵森林公園は鶴ヶ島インターである。川本町のあとは長瀞へでも行ってやや遅すぎるロウバイでも見ようかと思っていたが、ハクチョウカメラマンで森林公園にまわるという人があった。調べてみると案外近いのでまわってみることにする。前回訪れたときに大量のフクジュソウの植栽工事をしていたので開花期を楽しみにしていたのだ。ただし、訪れてみるとフクジュソウには完全に遅すぎたようだ。
[3月3日]
超望遠レンズと一緒に購入したカメラボディーは、かなり使い込んだ中古品であることは承知の上での購入だった。このカメラを買ってから3本目のフィルムあたりからカメラの不調が目立つようになった。シャッターチャンスでシャッターが切れないのである。最初はフィルムの巻き上げを忘れることが多かったのでシャッターが切れないことが珍しくなかったが、どうもこのころからこの現象がひどくなったような気がする。フィルムを抜いて試したら順調にシャッターが切れたので再度フィルムを装填したらまた切れなくなった。
露出計のスイッチをノーマルからホールドに変えたころからこの現象が出た様な気がする。露出計のスイッチとシャッターとの関係が分からない。とにかくフィルム巻き上げでシャッターチャージが不十分のような感じなのだ。力任せにフィルムを巻いても切れないことが多くなる。これでは仕方がないからこのカメラでの撮影を中止して、販売店に持ち込むことにした。(写真3)
たまたまネガフィルムを装填したばかりの「AE−1プログラム」がウエストバッグに入っていたので、このフィルムを抜き出してリバーサルフィルムを装填。このカメラはシャッター速度優先AE(とプログラムAE)だが、この日のように晴天で光が十分なときはシャッター速度を最速に合わせて光が多すぎるときは絞るという撮影になるのでシャッター速度優先はぴったりな条件。カメラを代えて快適な撮影条件が整った。