花追い人のホームページです。
シーズンズグリーティング
3月第4週(3月25日〜3月31日)
(春うらら、特別増刊号としちゃいます)

4月直前、一週間の中での季節の変化を楽しんでください。

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パンジー(神代植物公園)[3月25日]
 3月の末になると春も本格化。今週はご要望にお応えして特別増刊号にてお送りさせていただくことと致します。

 神代植物公園は年間を通じて撮影に出かけているが、一年中でもっとも目が離せないのは初春である。一週間の中でも著しく変化するので今週は週の初めと終わりの2回、ご紹介することにしたい。

緑の相談所から本園に入ったところ。先週はたった一輪のカタクリがようやく開花したところで撮影するような状況には至らなかったのだが、それから一週間。花の数がずっと多くなり撮影に耐える状態になったところ。撮影期間が約一週間。その中で天気が良くて気温が高くならなければ十分に花弁を開かない。温かい日と寒い日が入り交じる季節だけに撮影チャンスは年に一日か二日。毎年撮っているようなものだけれど、どうしても外すわけには行かない。

 サクラの開花予想まであとほんの数日。春の花がいっせいに開花の準備で爆発直前といったところ。少し寒い時期から冬花壇の主役として頑張っていたパンジーはご存知の通りスミレの仲間だから本当の見頃は春になってからである。冬の間にもしばしば見かけてはいるがレンズを向けるのは今ごろになってからである。
[写真1:パンジー(神代植物公園)]
[3月28日]
カワラヒワ(足和田村 野鳥の森公園) 富士五湖方面に出かけられる方はとても多いのだが案外知られていないのが、西湖のほとりにある「足和田村 村営野鳥の森公園」。あの自殺の名所として有名な青木ケ原樹海の一画を公園として整備した。森の中を散策するとか花壇の花を楽しむとか、もちろん森の中の野鳥に会えるとかさまざまな楽しみ方ができる。もちろん富士山が間近に望めることは言うまでも無い。

 野鳥撮影用に超望遠レンズを購入してから今までに野鳥撮影をしたほとんどの撮影地を再訪したけれど、ここだけは訪れていなかった。林の中を三脚を担いで歩き回るということもあるのだが、この日は雨、それもかなり強い雨に変わった。ギャラリーの建物の二階、屋内の野鳥観察ゾーンに機材を持ち込み窓越しではあるが、濡れない快適な野鳥撮影を楽しんだ。

 目の前に大きな樹木があり、ここをシジュウカラとヤマガラが飛び回る。撮影には絶好の条件。絶えず飛び回る小さな鳥を超望遠レンズで追いかける。ファインダー内にはかなりの大きさで捉えることができる。これに全神経を集中させて動きを追いながら指先でピントリングを回転させる。更に構図を決めながら野鳥の表情のある瞬間を見つけだす。シャッターを切る瞬間全身に快感が走り抜ける。野鳥撮影の醍醐味だ。

 野鳥の中でもっともありきたりなのがスズメ。都心でも何でも人の住むところならどこにだって姿を現す。というとどこにでもいそうであるが、人の住まないところや高い山では姿を見せることが無いという。要するに人里の鳥なのだ。ここではシジュウカラやヤマガラよりも数の少ない野鳥になってしまう。

ヒヨドリ(足和田村 野鳥の森公園) 雨の日にはどうしても外に出るのが億劫になるのは人間なら誰でも同じだが、鳥たちにとっては雨は出掛けることを億劫にさせるようなものではないらしい。毎日欠かさず餌を採る必要があるからやむを得ず出掛けなければならないのかというと、どうもそうではないように感じられる。木の枝にとまっても体が濡れないような隠れ場所はありそうなものだが小鳥たちの行動からはそんなところを利用しようなんて意思は全く感じられない。まったく平気で雨の中を飛び回っている。

 都会から山の中まで、しかも、一年中見られるのがカワラヒワだ。キリキリコロロと鳴いたり、チョンチョンチョンジューイと語尾を延ばしす独特の美声の持ち主だ。ひまわりの種を食べるときはシジュウカラなどは一粒を足で押さえてこつこつと叩いて殻をとりはずすがカワラヒワは強いくちばしで一気にかみ砕く。飛んだときに翼に黄色が見えるのが美しい。
[写真2:カワラヒワ(足和田村 野鳥の森公園)]

 いまや都心の公園の主役ともいえるようになったヒヨドリ。ありきたりの鳥だが、日本を主要な生息地とし、冬は朝鮮半島でも見られるが、他の地域ではまれなのだそうだ。木の実を好んで他の鳥を押しのけて食べる。冬はツバキの蜜とかの甘いものも大好きである。ピーヨ、ピーヨと騒がしく鳴くあの鳥である。
[写真3:ヒヨドリ(足和田村 野鳥の森公園)]

 雨の中を野鳥の森公園まで運転してきた。小さな小鳥をファインダーで捉えてゆくのは緊張度の高い作業ではある。それだけに軽い興奮と快感を伴う作業でもある。まして光が乏しく、ぶれる確率が高いだけに高度の緊張になる。窓越しに雨の中を飛び回る小鳥を追いかけてあっというまにフィルム2本以上を費やしてしまった。
[3月25日]
枯葉のなかから=シュンラン(箱根湿生花園) 冒頭に予告した通り、週の終わりの神代植物公園である。一週間の季節の移り変わりというものがはっきりとわかるのがこの時期である。
[写真4:枯葉の中から=シュンラン(神代植物公園)]

 ソメイヨシノが開花したということで、ほぼ同時期に花を付けるのがハクモクレン。ハクモクレンはコブシとよく似ているが、コブシの方は野武士のたたずまいであるのに対して、高貴な貴族の面影を彷彿としているのがハクモクレン。ここのハクモクレンは比較的背の低い樹であるが花付きはなかなかよろしい。
[写真5:ふっくらと=ハクモクレン(神代植物公園)]
 ニリンソウ、イチリンソウ、ユキワリイチゲなんかは比較的群落で咲くのだが、キクザキイチゲは単独で一輪づつ花をつける。本来の自ふっくらと=ハクモクレン(神代植物公園)生地では見渡す限り一面に花が咲くような植物だが植物園ではそこまでの風景は見られない。ここでも一輪づつ、2〜3カ所に花を付けるだけだ。それでも良い。一輪だけでも十分に主役を張れる貫禄である。

 スノーフレーク。日本語のスズランズイセンなんていうよりも雪を連想させる名前が似合っている。スズランのように葉陰に隠れるように花を付けるのではなく、葉よりも何よりも高いところに差し上げるように花を付ける。下を向いた可憐な花の姿が良い。真っ白な花なのが縁取りのところにだけ微かにグリーンの模様が付けているのがよい。ともかく可愛らしい花である。

 ヒヤシンス。もちろん園芸植物だ。どこか原産地では野生で生えているのだろうが、自生しているところが全くイメージできない植物である。野生と縁を切ったばかりでなく、土とも縁を切って水栽培されているというイメージが強い。こういう植物を写真に撮っても花壇で大切に育てられているという感じのもので、厳しい環境にたくましく生き抜くというような生物のイメージがどうにもできてこない。

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