花追い人のホームページです。
シーズンズグリーティング
5月第2週(5月13日〜5月19日)
(特別増刊号は今週でおしまいです)

何も植えない植物園−御殿場市御胎内清宏園。

鎌首を持ち上げて=マムシグサ(御胎内清宏園)
いつも、Season's Greetingをご愛読下さってどうもありがとうございます。

このコーナーは季節を一週間づつに区切って、その期間内に撮影した花や野鳥などの季節感のある写真に簡単な解説文をつけてご紹介しています。
その週の前々週の木曜日か金曜日にアップすることを原則としていますから、写真撮影や植物観察を趣味とされている方は、これをご覧になってからお近くのフィールドへ赴けば間に合う様になっています。

先週から撮影データをお付けすることにしました。何かの参考になれば幸いです。


森の中で=マムシグサ(御胎内清宏園)写真は原則として3枚。
さくらの咲く頃からゴールデンウィークの間など花の多い季節には特別増刊号として6枚前後の写真となることがあります。
で、しばらく特別増刊が続きましたが、来週からはもとの3枚に戻り事にさせていただきます。
今週は特別増刊としました。

こんな企画がいつまで続くのか判りませんが、引き続きご愛顧の程お願い申し上げます。
さて、今回は静岡県御殿場市にある御胎内清宏園をご紹介します。

葉の上に咲く花=ハナイカダ(御胎内清宏園)御殿場市印野にある御胎内清宏園は、富士山の噴火でできた溶岩洞窟で有名です。
入り口で入園料を払ったついでに一本のロウソクを求めてください。
これを持って溶岩洞に入ります。
中は真っ暗。母の胎内に見立てています。
ここをある時は屈みながら、またある時は両手をついて這い回ります。それだけではなく、植物園ということになっています。
普通の植物園は各地の植物を植えたり育てたりしていますが、ここはそういうことをしていない様です。

園内に勝手に生えている植物をそのまま見られるようにしています。さて、初夏のある日。どんな植物が見られるでしょう。

森の中で=ホウチャクソウ(御胎内清宏園)キンポウゲ
いつものように朝になってからどこへ行こうかなと考える。
静岡県の花の本に御胎内清宏園のツツジとある。
こことアシタカツツジ(愛鷹躑躅)の両方を見るのを本日のコースとしよう。
いづれも近場だがどこか新しいフィールドを開拓するつもりで多少の寄り道を考えれば面白いかもしれない。
キンポウゲはウマノアシガタといったほうが通りがいいかもしれない。
黄色というよりは金色というにふさわしい光沢が見事だ。

マムシグサ
御胎内清宏園の野鳥の森の奥深くに行くと野草の撮影が充分に出来る場所になっている。
特別に珍しい植物という感じではないのだが全く誰も居ないところでフェンスも無く制約の無い環境で好きなように撮影できる好ポイントだ。
キンポウゲ、マムシグサ、ホウチャクソウ。
ちょっとありふれた野草から撮影をスタート。
[写真1:鎌首を持ち上げて=マムシグサ(御胎内清宏園)]

森の中で=キンラン(御胎内清宏園)ハナイカダ
人里でも見られるくらいだから、ちょっとした山の中ならばハナイカダは珍しいものではない。
それでも葉の上に直接花をつけているというのはちょっとした感動。
初めて見た人はたいていびっくりして大感激する。
そんなことより葉の形やバランスがとても素晴らしい。
[写真2:葉の上に咲く花=ハナイカダ(御胎内清宏園)]


ホウチャクソウ
御胎内清宏園の野鳥の森を歩き回っているとたちまち方向感を失ってどちらに向かっているのか全く判らなくなる。
そうこうしているうちに森の中に迷い込んだ。
向こう側に自動車が走る道路が走っていて自衛隊の軍用トラックがたくさん行き交っているところを見ると東富士演習場の方面なのだろう。
こんな暗い森の中で地面に這いつくばってホウチャクソウの撮影に暫し没頭した。
[写真3:森の中で=ホウチャクソウ(御胎内清宏園)]

マムシグサ
山中の湿潤な木陰に生えるマムシが鎌首を持ち上げた形のサトイモ科の多年草。
といいたいところだが、鎌首の形ではなくて、茎に現れた模様が命名の理由の様だ。
コニインというアルカロイドににた成分が含まれる。
不気味な容姿、一癖ありそうな面構えだが、やはり有毒な成分が含まれているらしい。
[写真4:マムシグサ(御胎内清宏園)]

これは自然の花じゃないですが=オダマキ(御胎内清宏園)キンラン
昔はありふれた草の一つなのですが、最近は数が減ってきているといいます。
キンランは他の草と比べて競争力が弱いため、雑草に埋もれてしまうと、自然に消滅してしまうとのこと。
環境汚染や乱獲ではなく、林内の下草刈りなどがあまり行われなくなったせいではないか、というのです。
栽培は非常に難しいと聞きます。
[写真5:森の中で=キンラン(御胎内清宏園)]

オダマキ
栽培のコツは、年間を通して日当たりと風通しのよい所に置く。
植え付け時期は、花が終わった後。
大きければ株分けし、根を全長の3分の2まで切り、根を広げて植える。
種を採りすぐまくが、早春にまいてもよりよく増える。
乾燥するとハダニがつきやすいので注意したい。
[写真6:オダマキ(御胎内清宏園)]

撮影データ
写真1:鎌首を持ち上げて=マムシグサ(御胎内清宏園)
CANON EOS-1N EF200mm F1:2.8L C-PL
f2.8 (1/15) +0.7EV FUJICHROME Velvia(RVP)
GITZO #468L Manfrotto #141RC 2000. 5.16(火) 09:28 (00548V-20)

写真2:森の中で=マムシグサ(御胎内清宏園)
CANON EOS-1N SIGMA 15mm F2.8 EX FISHEYE
f2.8 (1/200) +1.0EV FUJICHROME Velvia(RVP)
三脚使用せず 2000. 5.16(火) 10:29 (00549V-7)

写真3:葉の上に咲く花=ハナイカダ(御胎内清宏園)
CANON EOS-1N SIGMA 90mmAF-MACRO F1:2.8
f4.5 (1/25) ±0EV FUJICHROME Velvia(RVP)
GITZO #468L Manfrotto #141RC 2000. 5.16(火) 09:55 (00548V-29)

写真4:森の中で=ホウチャクソウ(御胎内清宏園)
CANON EOS-1N SIGMA 15mm F2.8 EX FISHEYE
f2.8 (1/30) ±0EV FUJICHROME Velvia(RVP)
三脚使用せず 2000. 5.16(火) 10:21 (00549V-5)

写真5:森の中で=キンラン(御胎内清宏園)
CANON EOS-1N SIGMA 90mmAF-MACRO F1:2.8
f2.8 (1/125) -0.7EV FUJICHROME Velvia(RVP)
GITZO #468L Manfrotto #141RC) 2000. 5.16(火) 10:50 (00549V-31)

写真6:これは自然の花じゃないですが=オダマキ(御胎内清宏園)
CANON EOS-1N EF200mm F1:2.8L C-PL
f2.8 (1/60) ±0EV FUJICHROME Velvia(RVP)
GITZO #468L Manfrotto #141RC 2000. 5.16(火) 12:22 (00550V-14A)

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