6月第4週(6月24日〜6月30日)
またまた、梅雨の楽しみ方。
[6月26日]
箱根湿生花園は3月20日に冬季休園から目を覚ました。
この直後が年間の最初の混雑時期である。
その主役はミズバショウ、ザゼンソウ、そして、カタクリだ。
それから春の百花繚乱の時期を経て初夏のニッコウキスゲのころに次の混雑期を迎える。
これが一段落して夏休みの混雑までの間、しばらくの間は少し落ち着きを取り戻す時期に当たる。
このころの主役はニッコウキスゲとよく似ているノカンゾウやヤブカンゾウだ。
[写真1]:木陰にて−ヒメユリ(箱根湿生花園)
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それからユリの仲間たち。
ユリは茎頂に頭でっかちな花をつけるために、風に吹かれれば揺れる、すなわちユルから変じユリになったという。
あるいは寄り集まった百合根(鱗片葉)の様子から「寄り」、「結る」に由来するともいわれる。
漢字では「百合」と書き、中国語でも同じだが、これも鱗片葉が多く重なったさまを表したものとされる。
日本はユリの王国だとも言われる。
種類が多いだけでなく実に多彩な個性をもったユリ達をふんだんに見ることができる。
なかでもヒメユリは個性的なユリの一つであろう。
赤い花というのは数々あるのだがここまで鮮やかな朱色というのはめずらしい。
うつむいて風に揺れる白いユリとはとにかく対照的な印象を与える。
それは、処女と娼婦ほどの違い。
[写真1]:木陰にて−ヒメユリ(箱根湿生花園)
[写真2]:水滴−ノハナショウブ(箱根湿生花園)
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箱根を代表する植物といえば、サンショウバラだとか、アセビだとか、いろいろと意見の分かれるところだ。
しかし、この時期の仙石原湿原の代表はノハナショウブといってもあまり異議は出ないのではないだろうか。
多彩な園芸品種が作出されたハナショウブの原種となるのがノハナショウブだ。
ハナショウブの美しさの基本的な部分を持っていながら、凛とした野生植物の品格を頑なに保っている。
湿生花園内のものは植栽されたものであろうが、この一帯に野生のものが残されている。
また、「湿性植物群落回復実験地区」の目指しているものも、ノハナショウブの咲く仙石原湿原ということだ。
[写真2]:水滴−ノハナショウブ(箱根湿生花園)
[6月29日]
[写真3]:ハンゲショウ(赤塚植物園)
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フィッシュアイレンズ(魚眼レンズ)。
あのなにものもグワーンと湾曲して見えるという特殊レンズである。
このため画角180度が無理やり画面の中に写しこむことが出来る。
特殊レンズだから、本来は "ここぞ" という時に効果的に使うもので、しょっちゅう使うものではない。
ただ、この日は、事実上この一本だけを持って撮影に出掛けた。
最短撮影距離は15センチ。
これはフィルム面から被写体までの距離であるから、レンズ先端から被写体の距離となると1〜2センチくらい。
ほとんどレンズ表面に密着しての撮影となる。
フィッシュアイレンズといっても広角レンズの範疇に入るレンズである。
広角レンズいうことになると、主な使用方法は次の2つである。
一つは主となる被写体に "思い切って" 近づくこと。
そして、もう一つの使い方は広い範囲を取り込むこと。
広い範囲を取り込むといってもそれなりに被写体に近づく必要はある。
そうでないと "魚眼レンズはゆがんでいるでしょ" というだけの写真になってしまう。
[写真3]:ハンゲショウ(赤塚植物園)
撮影データ
写真1
木陰にて−ヒメユリ(箱根湿生花園)
CANON EOS-1N EF200mm F1:2.8L
f2.8 (1/320) (露出補正:0) FUJICHROME Velvia(RVP)
GITZO #468L Manfrotto 141RC 1999.6.26(土) 9:15 (99541V-10)
写真2
水滴−ノハナショウブ(箱根湿生花園)
CANON EOS-1N EF200mm F1:2.8L TELE-CONVERTER 2X
f2.8(×2) (1/50) +0.7EV FUJICHROME Velvia(RVP)
GITZO #468L Manfrotto 141RC 1999.6.26(土) 9:28 (99541V-15)
写真3
ハンゲショウ(赤塚植物園)
CANON EOS-1N SIGMA 15mm F2.8 EX FISHEYE
f2.8 (1/160) ±0EV FUJICHROME Velvia(RVP)
GITZO #468L Manfrotto 141RC 1999.6.29(火) 13:36 (99543V-9)
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